それから、
普及啓発活動でございます。県や町の広報等によって次の事柄を呼びかけております。まず、枯れているマツの情報提供をお願いしたいということ。それから、マツ丸太や苗木等を他県から持ち込まないようにしてほしいこと。それから、6月から9月まではマツの伐採を控えていただきたいということでございます。
続きまして、2件目が平成28年4月17日から18日にかけての
暴風被害について、5月20日現在です。これは前回の委員会でも御報告しておりますので、そのさらなる追加ということで御報告申し上げます。
被害状況ですが、
農林水産被害は23市町村で発生し、被害額は11億89万7,000円でございました。その主な内訳は、
農業用施設関係が5億6,206万2,000円、
漁港関係が5億1,220万円でございました。
内訳でございますけれども、
農業関係では、
農業用施設関係につきまして、
農業用パイプハウスなどの被害が青森市など18市町村で発生し、被害額は5億6,206万2,000円でございました。
続きまして、
農作物関係でございます。メロン、スイカ、イチゴなどの被害が3市町で発生し、被害額は2,274万5,000円でございました。
次のページをごらんください。
水産関係です。
漁港関係につきましては、防波堤などの被害が中泊町など5市町村で発生し、被害額は5億1,220万円でございました。
その他
水産関係です。その他
水産関係では、さけますふ化場などの被害が2市町で発生し、被害額は389万円でございました。
3ページです。県の対応としまして、まず、これまでの対応でございますけれども、このアからエまでは前回の委員会で御報告したそのままでございます。したがいまして、追加分として、オとして、
漁港被害については、安全性を確保するための
照明付標識を設置し、応急措置を講じたということ。それから、カでございますけれども、水稲や野菜の苗については、
地域県民局が農協等と連携して対応した結果──これは
情報収集だとかさまざまな指導でございますけれども、水稲の苗については農家間での調整、野菜の苗については遅い作型への移行などによって確保される見通しであるということを確認しております。
今後の対応です。
地域県民局は、農協等と連携して、
被災状況に応じた生産指導や経営相談を継続するということ。それから、
被災農林漁業者に対し、復旧に係る資金の手当として
農林漁業セーフティネット資金などの
災害復旧関連資金の活用について周知するとともに、今後の災害に備えて
園芸施設共済や
漁業施設共済への加入を指導していきます。それから、
漁港被害については、
災害復旧事業等を活用し、早期の復旧を図ることとしております。
続きまして、3件目でございます。
農林水産物の生産・
販売状況等についてです。
農作物の生育と農作業の
進捗状況等について。
まず、気象の経過と今後の
見通し等です。
平均気温は、青森市で4月が平年より0.9度、5月前半が1.1度、それぞれ上回っております。今後の気象の見通しは、気温は平年より高く、降水量は平年並み、日照時間は平年並みか多いと予想されております。主な
農業用ダムとため池の
貯水状況は、5月18日現在で平年を上回っており、
農業用水は確保される見込みとなっております。
続きまして、農作物の
生育状況等です。
水稲です。田植え始め、これは全体の5%到達日ということでございますけれども、平年並みの5月15日で、5月15日現在の田植えの進捗率は9%です。これは15日が日曜日ということもあって、一気に進んだということでございます。田植え後は、苗の活着と生育の促進を図るために、天候に応じた水管理の徹底を指導していきます。
畑作・野菜・花卉です。小麦や
ニンニク、大根の生育は平年を上回っています。メロンの
定植作業は4月下旬の降雨や5月初めの強風の影響で、平年より3日から5日程度おくれております。定植後の生育はおおむね順調となっています。今後、小麦、
ニンニクは、収穫前の
病害虫防除を指導します。また、メロン、花卉類は適正な
温度管理を指導します。
2ページの
リンゴ等果樹でございます。リンゴ、「ふじ」の落花日は、黒石市が平年より5日早い5月12日、五戸町が4日早い5月16日となりました。桜桃、「佐藤錦」の落花日は、五戸町で平年より2日早い5月13日、黒石市で2日遅い5月17日となりました。桃の落花日は、五戸町の「あかつき」で平年より2日早い5月12日、黒石市の「
川中島白桃」で3日早い5月13日となりました。今後ですが、実どまりを確認したら、直ちに摘果を始めるとともに、結実量が多く、作業が遅れそうな場合は積極的に摘果剤を活用するなど、早期に
適正着果量を確保するよう指導していきます。
飼料作物です。牧草の草丈は、5月10日現在で平年比148%となっています。
サイレージ用トウモロコシの
播種作業は平年並みとなる見込みです。今後、牧草は
刈り取り適期の出穂期から遅くとも開花始期までに収穫するよう指導します。
最近の
漁模様等です。
沿岸の水温。
平均水温は、5月11日から15日までの半旬が10度から13度台で、日本海、陸奥湾、太平洋で平年並み、
津軽海峡ではやや高目で、全地点での平均差はプラス0.4度となっております。
陸奥湾の
ホタテガイ養殖です。全湾で大型の
ホタテガイラーバ数が減少してきており、採苗器への付着は終盤となっています。なお、付着数は平年よりかなり多くなる見込みであるため、今後、間引きの時期や方法について情報提供することとしています。
主要漁獲物の状況です。マダラと
スルメイカは太平洋で好調、ヤリイカは日本海で低調、
津軽海峡で好調に推移しました。
サクラマスは、日本海、
津軽海峡で好調、太平洋で低調、マダイは日本海で好調に推移しております。
最後に、3ページ、県産農産物の販売動向についてでございます。
野菜です。ナガイモの価格、これは1キロ当たりの
平均単価ですが、410円で、前年比116%、過去5カ年平均比で120%となっています。
ニンニクの価格は1,444円で、前年比62%、過去5カ年平均比では98%となっています。ゴボウの価格は371円で、前年比137%、過去5カ年平均比で136%となっています。
リンゴです。リンゴの価格は389円で、前年比99%、過去5カ年平均比では122%となっています。
子牛です。
黒毛和種は1頭当たりの
平均取引価格81万1,000円で、前年比128%、過去5カ年平均比では168%となっております。
3
◯夏堀委員長
ただいまの
報告事項及び
特定付託案件について質疑を行います。
質疑は、議題外にわたらないように願います。
なお、答弁者は、挙手の上「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
質疑はありませんか。──一戸委員。
4 ◯一戸委員
それでは、大きくは3点について、まず、今報告のあった1点について、確認というかお聞きしたいのですが、深浦町における松くい虫の
被害状況ですけれども、
監視活動の中でドローンを用いた
上空探査というのが報告されましたが、これは今年初めてなのかということと、どういったところに委託をしているのかということをお聞きしたいと思います。
5 ◯一戸
林政課長
ドローンの活用につきましては、今年度初めて行うものでございます。
それから、
探査業務につきましては
国土防災という会社が請け負って実施しております。
6 ◯一戸委員
ドローンの活用ということでは、今、日本全体でもいろいろな活用の方法があり、初めての部分もあるのかもしれませんけれども、ドローンの情報の蓄積がどういう状況になっているのか、わかる範囲での資料をいただければと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、質問の1点目ですけれども、陸奥湾における
ナマコ密漁防止対策についてお伺いします。
ナマコの密漁については、昨年検挙されたということもありますし、最近、ナマコの市場は大変、乱高下している。一般的な消費者には、その影響が大変大きなものだと思います。特に、中国における日本のナマコの需要というのが──その月によって、年によってかなり違ってくるわけですが、加工食品とか
乾燥ナマコといったものも、本県にとって影響を与えると思っているところであります。
そこでまず、陸奥湾における
ナマコ漁業の現状について、どうなっているのかお聞かせいただきたいと思います。
7
◯對馬水産振興課長
陸奥湾におけるナマコの
漁獲数量は、平成6年までは400トンから500トン台で推移していましたが、
ホタテガイの単価の下落による
生産金額の減少を補うため、漁業者のナマコへの依存度が高まったことから、平成7年から増加し、平成13年には1,000トン台に達し、近年では1,000トンから1,500トン台で推移しています。
また、
漁獲金額は、平成14年までは
漁獲数量の増加に伴い3億円から6億円程度まで増加しました。その後、中国での乾燥及び
塩蔵ナマコの需要の増加に伴い、1キログラム当たりの単価が高騰したことから、近年は25億円から36億円台で推移しています。
8 ◯一戸委員
現状についてお聞きしたいのですが、平成7年から13年まで1,000トン、それ以前の漁獲が500トンぐらいだという報告でありましたけれども、倍になったということになると、生産、種苗の体制について新たに何か手を打ってきているのですか。
9
◯對馬水産振興課長
ナマコ資源の
維持増大の話でございますけれども、先ほど触れられましたように、ナマコが本県の磯の資源の中でも漁獲額が非常に多い、重要な水産物であることから、平成22年に青森県
ナマコ資源管理指針を策定いたしまして、
関係漁協に対して、
小型個体の再放流などについて指導してきたほか、石材、あるいはコンクリートブロックの設置による
ナマコ増殖場の造成や
県漁業取締船による
密漁監視など、ナマコの資源の
維持増大に努めているところでございます。
10 ◯一戸委員
倍になって、そういう対策は必要だと思いますので、ぜひ漁業者と連携をとりながらやっていただきたいと思います。
また、冒頭お話をしましたが、ナマコは、中国では黒いダイヤとも言われているところであり、高級食材ということで高値が続いています。昨年の密漁に対する
取り締まりも含めてですけれども、現在の、陸奥湾におけるナマコの密漁の現状について、どのように分析し、対策を立てているのかお伺いします。
11
◯對馬水産振興課長
陸奥湾におけるナマコの密漁は、近年摘発されたものとして、平成26年10月に
蓬田村地先におきまして、また、平成27年10月にはむつ市
川内地先におきまして、いずれも無許可で潜水器を使用して行った事件があります。
特にむつ市
川内地先で摘発された事件につきましては、反
社会的勢力による組織的なもので、その手口は巧妙かつ悪質でございまして、被害額も2億円を超えるものと見られております。
12 ◯一戸委員
普通の方ではない、反社会的な対応をする方々が2億円ということは大変な状況だと思っています。
それらに関して、昨年10月30日に県漁連から県に2つ要請があったように聞いているわけです。密漁の
監視体制の構築と
取り締まりの強化、そして国への罰金ですか、そういった強化を働きかけてきたと私は受けとめているのですけれども、そこで、これからナマコの密漁の
防止対策、これをどうしていくかが一番大事だと思いますので、現状で県が考えている
ナマコ密漁防止対策について、どういった点があるのかお聞かせいただきたいと思います。
13
◯對馬水産振興課長
県では、昨年10月にむつ市
川内地先において発生した
ナマコ密漁事件を重く受けとめまして、翌11月に
海上保安部や県警察、
漁業協同組合などによる
密漁防止対策会議を開催しまして
関係機関の連携を申し合わせるとともに、
夜間合同監視活動の回数をふやしています。また、一昨年に竣工し、高速性や夜間などの悪条件下においても
証拠収集機能を備えた最新鋭の
漁業取締船「うとう」を監視に当たらせるなど、
密漁防止対策を強化しています。
さらに、老朽化しました
漁業取締船「はやかぜ」につきましても、「うとう」と同様の機能を備えた
漁業取締船とするため、現在、代船建造に向けて基本設計の作成を進めているところです。
このほか、本年度、国の事業を活用して青森県
漁業協同組合連合会が行う
監視カメラなどの
密漁監視施設の整備を支援しており、引き続き
関係機関と一体となって陸奥湾の
密漁防止対策に取り組んでいきます。
14 ◯一戸委員
ナマコ密漁対策の部分についてお伺いをしました。1つだけ確認をしたいのですけれども、県の
監視体制というのは、陸奥湾全体なのか、あるいは一部なのか、その範囲はどうなっているのか、お知らせいただきたいと思います。
15
◯對馬水産振興課長
ナマコの生産が行われている場所といいますか、漁協といいますか、その全域を対象として
取り締まり活動を行っております。
16 ◯一戸委員
ナマコや、先ほどの松くい虫もそうですけれども、ぜひ
監視体制を──実は今、いろいろな
監視体制が出ていると思います。最近でいきますと、セコムという会社が初めて
自立小型飛行監視ロボット、これはドローンなんですけれども、監視をして、怪しいと思ったら、そこにドローンを飛ばす。その特徴は上空からナンバーだとかを識別する機能を持っているということで、こういったシステムが今、世の中では出ているわけでありますから、先ほど言った沿岸からの監視と、そういったものも組み合わせていくと、より効果的になると思いますし、このセコムの
システムそのものは非常に範囲が限られているところですが、比較的安いということでありますので、そういったものを導入して、ぜひこの
密漁対策をやっていただきたい。それから先ほどナマコの生産に当たってとか、市場の拡大とか量の問題は、それぞれの地域で違うわけでありますけれども、後継者問題が大変深刻な状況にあると私は思っておりますので、将来のナマコの生産に対する対策もしっかりしていただきたいと思っております。
2つ目は、
農地中間管理事業の推進についてお伺いをしたいと思います。
耕作放棄地、あるいは分散した農地を集約して──きょうの新聞でも触れられておりましたがTPP問題で、競争力を強化するということで、
農地中間管理事業が進められているわけでありますけれども、しかし、こういった
農地中間管理機構をつくるよりは、基盤整備、つまり、土地全体を整備したほうが早くまとまるのではないか、といった意見も実は出ていると思っております。
そこでお聞きしたいのは、
農地中間管理事業と
機構集積協力金の27年度の実績についてお伺いしたいと思います。
17
◯山田構造政策課長
平成27年度の
農地中間管理事業による
貸し付け実績は、前年度の約4倍となる1,813
ヘクタールとなりましたが、
目標面積である4,600
ヘクタールの約4割にとどまっています。また、
農地中間管理事業により貸し付ける際、一定の要件を満たした場合に交付される
機構集積協力金が3種類あり、
集積割合に応じて地域に交付される
地域集積協力金が1億7,627万円、離農または経営転換する出し手に交付される
経営転換協力金が3億8,540万円、
貸し付け面積に応じて交付される
耕作者集積協力金が2億151万円で、合わせて7億6,318万円となっております。
なお、今、実績は1,813
ヘクタールと答弁しましたけれども、けさの新聞では、835
ヘクタールと報道されています。この違いは、いわゆる担い手への新規の集積分だけを今回、新聞のほうでは出しておりまして、例えば
期間作業、耕作とか収穫とか販売を委託していた農地がこの機構を活用して貸し付けされたものは、新規の分にカウントされないということがありまして、ちょっと開きがあった数字として報道されているところでございます。
18 ◯一戸委員
結果的に見ると、1,813
ヘクタール──2014年度が445
ヘクタール程度になっていると思うので、14年度から見ると4倍以上の実績があるとは思いますけれども、ただ、県が目標とする4,600
ヘクタールからみれば4割ぐらいにしかなっていないということです。
農地中間管理事業による
農地集積目標である4,600
ヘクタールというのは、根拠があって目標を立てていると思いますけれども、余りにも乖離しているのではないかということで、4,600
ヘクタールの根拠についてお聞きしたいと思います。
19
◯山田構造政策課長
県では、平成26年3月に策定した青森県
農地中間管理事業の推進に関する基本方針において、国が設定した
農地集積目標などを踏まえまして、平成35年度までに全農地の9割を担い手に集積することとしております。
このため、平成26年度からの10年間で7万4,500
ヘクタールの農地を新たに集積することとし、このうち、売買や
作業受委託など
農地中間管理事業以外で集積すると推計される面積を除く4万2,300
ヘクタールを
農地中間管理事業で取り組む面積として設定しておりまして、平成27年度の目標を4,600
ヘクタールとしたものでございます。
20 ◯一戸委員
基本的には10年間で割り返した数字がそういう数字だということでありますけれども、ただ、実態と乖離するということは、目標だけがひとり歩きしないかということで、目標を見直す時期も実はあるのではないかと思っております。
そこで、
農地中間管理事業の27年度の目標、これは達成できなかったわけでありますけれども、その要因はどういうところにあるのかお聞きしたいと思います。
21
◯山田構造政策課長
目標を達成できなかった要因としましては、
農地中間管理機構が行ったアンケート調査によると、農業者に対する
農地中間管理事業の周知活動は進んでいるものの、その内容やメリットが十分に理解されていないことに加えまして、出し手側では農地が誰に貸し付けられるかわからないことに対する不安、また、現状維持志向を持つ農業者が多かったことなどとなっております。
一方、受け手側では、米価の低迷などで一部の農業者が農地の借り受けによる規模拡大に慎重になっていることや条件の悪い貸し付け希望農地が多く、借り受けを見合わせたことなどとなっています。
22 ◯一戸委員
やはり貸し手と借り手の理解、特に貸し手の理解が大事だと思いますけれども、今の段階で、貸し手が実際にこの制度を活用するための理解活動について、どういうことをやられているのか、現時点であったら教えていただきたいのですが。
23
◯山田構造政策課長
現在では、
農地中間管理機構、それから県、農業委員会などの
関係機関と連携しまして、とにかくいろいろな会合に出席しまして、そこで十分理解していただくように丁寧に説明しているところでございます。また、場合によっては重点的な取り組みとして個別に農家の方々に説明しまして、出し手、受け手の掘り起こしにも力を入れたところでございます。
24 ◯一戸委員
しっかりと対策をしていくことが大事だと思っています。
それで、もう一つは、先ほど目標の
ヘクタール数ということがありましたけれども、これは私が調べた件数ですけれども、昨年12月15日で、借り手としての申請数がたしか4,061件あったと思います。貸し手の数が1,324件と、こういった状況で、借りたい人が多いし、貸したい人が少ないという状況にあると思います。今まで目標など聞いてきましたけれども、
農地中間管理事業の推進に当たって、平成28年度の具体的な取り組みについてお伺いしたいと思います。
25
◯山田構造政策課長
農地中間管理機構では、地域の話し合いへの参加や個別相談など現地で機動的に活動する機構事業推進員を今年度から2名増員しまして13名体制とし、よりきめ細やかなマッチング活動を展開していくほか、市町村、それから農業委員会などと連携しながら、各種会合の場や広報媒体などを活用しまして、事業のメリットや農作業受託者が優先的に受け手となることなどを出し手にわかりやすく伝える周知活動と、個別訪問による出し手・受け手の掘り起こしを強化していきます。
また、県では、県内5カ所でモデル的に実施している税理士を活用した経営力強化により、集落営農組織の法人化と農地集積・集約につなげた手法などを周辺地区へ波及させていくこととしています。
さらに、農地整備実施地区では、受益者の話し合いに積極的に参画し、機構の活用に対する理解醸成と合意形成を図っていくなど、
農地中間管理事業による担い手への農地集積・集約化を加速していくこととしております。
26 ◯一戸委員
それともう一つは、今の事業を進めてきて、マッチングしやすい地域とそうでない地域があるのかどうか、特徴的ものがわかればお聞かせ願えればと思います。
27
◯山田構造政策課長
一概にこれとは言えない部分はありますけれども、大まかな傾向としましては、まず、活用実績が多いところとしましては、市町村でいくと、青森市、十和田市、外ヶ浜町という順になっております。これらの実績が高いと思われる理由は、青森市は現在、結構、圃場整備を実施しており、なおかつ、3市町は集落営農組織の法人化が非常に進んでいる地域でございますので、その辺とタイアップして実績が上がっているのではないかと考えております。
28 ◯一戸委員
はい、ありがとうございました。
質疑を取り交わす中で──やはり人的な強化というのが必要だと思っています。2名の増員だとかされているようでありますけれども、ただ単にその箇所に人事でずっと応援するのではなくて、やはり集中的にやるモデル地域みたいなものをつくってほかの地域に波及をするというのが一番わかりやすい話ですし、今、お話をした法人の──個人に任せてもだめなので、そういったところを含めて対応をしていただければと思います。また、PRの仕方について、会議をやられているのは、聞いた範囲では日中ですけれども、要は貸し手の方々というのは、日中、農作業に出ているわけです。農作業に出ていて、話を聞きたくても聞けないということがあるので、従来にない方策もしっかりする中でこの事業を進めないと、効果が出ないなと思っています。
それから、最初に聞いた拠出金の関係、これも有効的に使えば、もっともっと効果が上がると思いますし、内容については、私も聞いて初めてわかりましたので、そういうことからすると、もう少し基金の活用についてわかる資料があると広がると思いますので、要望を含めて終わります。
最後の3点目ですけれども、保安林制度の概要と保安林機能の維持向上についてお伺いをしたいと思います。
保安林というのは、少し調べたところでは、明治30年の森林法がスタートの年になっていると思います。その後、昭和23年に保安林整備臨時措置法が施行され、昭和35年に治山治水の緊急措置法が後押しをして、今の保安林の体制ができていると思いますし、2011年の東日本大震災時において、海岸部、沿岸部でありますけれども、保安林の果たした役割には大変大きな評価があると受けとめているわけであります。まず最初に、保安林制度の概要と本県における保安林の種類ごとの指定状況についてどうなっているのかお聞きしたいと思います。
29 ◯一戸
林政課長
保安林制度は、森林法に基づいて水源の涵養、災害の防備等の公益の目的を達成するために必要な森林を農林水産大臣または都道府県知事が指定し、立木の伐採であるとか土地の形質の変更などを制限することによって、その森林が有する公益的機能の維持向上を図るものでございます。
保安林の種類は、水源涵養、土砂流出防備や防風など17種類ございます。そのうち本県では13種類の保安林が指定されておりまして、その面積は、水源涵養保安林が32万6,000
ヘクタール、土砂流出防備保安林が約4万6,000
ヘクタール、防風保安林が約5,000
ヘクタールなど、合計約38万8,000
ヘクタールで、県森林面積全体の約6割を占めているところでございます。
30 ◯一戸委員
13種類ということで、かなりの種類でありますし、それぞれの面積も大変広いと思っております。
平成21年のデータでありますけれども、本県の森林面積は、間違いでなかったら63万5,000
ヘクタール程度で、国有林が62%程度、そして観光林が0.4%、民有林が37%程度に区分されているんですが、保安林の管理における森林所有者や県の役割はどうなっているのかお伺いします。
31 ◯一戸
林政課長
保安林の管理は、森林所有者が自己の財産として行います私的な管理と、国や県が保安林として公益的な目的を達成するために行う公的な管理がございます。
具体的には、森林所有者が植栽や間伐などの森林整備を行い、一方、国や県では森林法に基づく許可手続などによりまして保安林に係る各種行為を制限するほか、治山事業の実施による保安林機能の強化、保安林の標識設置や台帳整備などを行っているところでございます。
32 ◯一戸委員
私的、公的な管理もありますし、森林の役割というのもあると思います。水を守る、土砂崩れを防ぐ、あるいは一部にはレクリエーション的な地域もあると思うのですけれども、お聞きしたい3点目は、保安林として指定された場合、公的な部分はいろいろありますが、具体的にどのような行為が禁止されているのか教えていただきたいと思います。
33 ◯一戸
林政課長
保安林は、森林の機能を公益のために活用することを目的に指定したものでございますので、森林以外の用途へ転用する場合のほか、一定の基準を超えた立木の伐採や土地の形質の変更などが制限されておりまして、これらの行為を行う際は、事前に県へ申請し、許可を受けていただく必要がございます。
34 ◯一戸委員
事前の許可が必要だということでありますが、この保安林の関係で、平成23年7月に閣議決定された「規制・制度改革に係る追加方針」の中で、再生エネルギーの重要性を考慮した保安林の許可要件だとかがあるわけであります。平成24年4月に閣議決定されたものが一番新たなものでありますけれども、エネルギー分野における規制・制度改革に係る方針というのがあります。この方針によって、保安林の許可要件・基準が見直されたとなっているわけでありますけれども、具体的にはどういう内容になっているのかお聞きしたいと思います。
35 ◯一戸
林政課長
再生可能エネルギー設備に供する場合の保安林における許可要件・基準の見直しにつきましては、平成24年4月の閣議決定を踏まえまして、同年6月に林野庁から「保安林解除及び作業許可要件に係る留意事項について」が示されております。
その内容は、再生可能エネルギー発電設備に係る保安林の解除と保安林内での作業許可の要件を明確化したもので、保安林解除につきましては、要件となっております公的な土地利用計画に県及び市町村の総合振興計画やエネルギービジョン計画などが対象となること、また、作業許可につきましては、発電設備の管理用道路等の設置におきまして、具体的な森林施業の計画がある場合には一定の要件のもとで必要な施設として許可できるなどの具体例が示されているところでございます。
36 ◯一戸委員
そういった平成24年度のものは、公的な利用を含めた対応になってくると思っていますし、県内ではまだ手続がないとは思いますけれども、具体的に保安林の解除などに係る──いろいろな役割だとか目的があるわけですけれども、県の基本的な考えはどうなっているのかお聞きしたいと思います。
37 ◯一戸
林政課長
県では、森林所有者や事業者等から保安林の解除や許可の相談があった際には、公益目的を達成するために必要な森林を指定しているという保安林制度の趣旨を踏まえまして、まずは保安林以外に適地を求めるよう指導しています。ただ、ほかに適地が見つからず、公益上の理由など国や県が定める要件や基準を満たすものにつきましては、現地の状況を確認しながら、慎重にその可否を判断し、解除や許可の手続を行っております。
このため、再生可能エネルギー発電設備につきましても、地球温暖化防止の観点から、その必要性は十分認識しているところではございますけれども、個々の事案ごとに具体的な目的や規模、地域の公的な土地利用計画等への位置づけがなされているかなどを確認し、判断することになります。
38 ◯一戸委員
解除の仕方は、しっかりと対応していただきたいと思いますし、保安林の果たしてきた役割というのも大きいと。一気に伐採してしまうと、また植えてもすぐには大きくならない。そういった公的な部分だとかエネルギー分野における対応を含めて、これからも取り組んでいただきたいと思うわけであります。いろいろ質問してきましたけれども、この保安林の関係でいきますと、大変危惧をするのは、本県の人口減少だとか過疎化だとか、そしてまた自治体機能の低下と言われているわけでありますけれども、保安林と人口減少、過疎化というのは、密接にかかわってくるのではないかと。
そこでお伺いしたいのは、過疎化による不在村森林所有者の増加で保安林機能が低下していくことのが懸念されるわけであります。こういった機能の維持向上について、県はどのように考えているのかお伺いしたいと思います。
39 ◯一戸
林政課長
森林は、木材の生産基盤であるとともに、水資源の涵養や土砂災害の防止など県民の暮らしに極めて重要な役割を果たしており、とりわけ保安林は将来にわたり機能の維持向上を図っていく必要があると考えております。
このため、県では保安林の重要性を広く県民に普及啓発するとともに、地域に密着した活動を行っております森林組合と連携しながら、不在村森林所有者等に対し、植栽や間伐などの森林整備を働きかけてきたほか、保安林内の荒廃した林地や渓流につきましては、森林の造成や土砂流出を防止する治山ダムの設置等に取り組んできたところであり、引き続き適切に保安林機能の維持向上に努めてまいります。
なお、過疎化の進行に伴います整備不足な森林の増加は全国的な課題であり、今般、国では森林整備の促進を図るため、森林法の一部改正を行いまして、森林所有者や林地の状況等を記載した全ての民有林を対象とします林地台帳の整備などを進めることにしております。県としましては、こうした状況も踏まえつつ、今後の森林管理のあり方等について国とも検討していきたいと考えております。
40 ◯一戸委員
1点、要望になると思います。今の過疎化、それから人口減少の問題を含めて、財産を引き継ぐか引き継がないかとなったときに、財産放棄ということになると、その所有が国に行くのかどこに行くのかということが発生するわけでありますけれども、県内の郡部ではそういった地域が拡大してくると思っているわけです。所有者がそういうふうに変わってくる状況では、これまで言ってきたように保安林としての役割を維持していくためは、どうしても行政がかかわっていかなければいけない。ですから、従来以上にそういう対策というのは前倒しでやっていく必要があると思っております。荒廃してから手をかけても、保安林の機能は果たさないわけでありますので、ぜひそういった取り組みをお願いして終わります。
41
◯夏堀委員長
ほかに質疑はありませんか。──沼尾委員。
42 ◯沼尾委員
私からは肉用牛の生産振興についてお伺いします。
ことしも七戸町の県畜産市場で行う初競りに出席をさせていただきました。子牛の状態により10万円台から40万円台というふうにスタートする金額が決まっていくわけですけれども、スタートした途端にどんどん値段が上がりまして、ことしも高値模様で行きそうだなという感じで見ていたのですが、まさにそのとおりで、1時間ぐらいしかいれませんでしたが、結局、またことしも高値で行くのかなと。畜産農家の生産者──子牛生産じゃなくて肥育農家もいるわけですが、肥育農家のほうは全国から買いに集まってきますので、なかなか自分たちでは手が出ないというぼやきも見受けられました。
最近の報道でも、全国的に肉用牛、子牛の価格が高騰し、肥育農家が大変だという記事を見ています。先ほど
油川農林水産部長から
農林水産物の生産販売状況についても報告があって、その中で県内の子牛の市場価格は前年を大幅に上回っている、80万円を超えているということですので、そこで第1点目、最近の肉用子牛価格の状況と高騰している理由についてお伺いします。
43 ◯中野畜産課長
肉用子牛の価格につきましては、全国的に平成24年から徐々に上昇し始め、平成27年には過去最高水準にまで高騰しております。
青森県家畜市場における今月13日の
黒毛和種の取引価格は、平均で81万1,000円ということで、価格が上がり始める前の平成24年の41万円と比べますと、およそ2倍になっている状況でございます。
その要因としては、平成22年に宮崎県で発生した口蹄疫、あるいは翌年の東日本大震災、さらには高齢化などを背景に、比較的小規模な繁殖農家の廃業などが進行しまして、全国的に子牛を生産する繁殖雌牛の飼育頭数が減少していることによるものと考えられます。
44 ◯沼尾委員
口蹄疫、あるいは大震災による繁殖雌牛の減少、これが子牛不足と、高値を呼んでいるということのようです。
そこで、県は肉用牛における繁殖雌牛の増頭にどのように取り組んでいるのかお聞きします。
45 ◯中野畜産課長
県では、昨年度、繁殖雌牛1頭当たりの子牛生産頭数をふやすため、一般社団法人青森県畜産協会等に委託しまして、
関係機関が所有する子牛生産履歴などの各種データを集積しまして、各農家が飼育する繁殖雌牛の成績を把握できる繁殖管理台帳、いわゆる繁殖カルテを作成いたしました。
この繁殖カルテは、繁殖雌牛ごとに子牛の生産履歴、生産間隔のほか、子牛の販売状況、肥育成績などを生産者がわかりやすいようにまとめたものでありまして、県は本年3月からこれを繁殖農家に配布しまして、繁殖雌牛の子牛生産間隔を短縮させるための改善指導を行っているところです。
また、今年度は生産者が子牛を生産するための新たな繁殖雌牛を導入する場合に、市町村や関係団体とも連携しながら、1頭当たり10万円を補助することとしておりまして、これらの取り組みを通じて本県の肉用繁殖雌牛をふやしていくこととしています。
46 ◯沼尾委員
繁殖雌牛をふやしていくのは、今後重要だということがよくわかりました。